タワーマンションの賃貸利回りを再考する
- Koko

- 1月26日
- 読了時間: 3分
― 市場データから見る新たな視点 ―
はじめに

タワーマンションは、日本において
立地の良さ・資産価値の安定性・流動性の高さ
といった点から、代表的な高付加価値住宅として認識されています。
一方で、
賃貸利回りは高くない資産
というイメージを持たれることも少なくありません。
しかし、近年の実際の賃貸データを分析すると、
この従来の認識とは異なる側面が見えてきます。
実際の成約データを基にした分析では、
一部のタワーマンションにおいて表面利回り10%を超える事例が確認されています。
本稿では、実際の市場データを用いて、タワーマンションの賃貸利回りを客観的に検証し、その背景にある構造を整理していきます。
表面利回りとは
本分析で用いている「表面利回り(表面利回り)」は、
以下の計算式に基づいています。
年間賃料 ÷ 新築分譲時の購入価格
現在の時価ではなく、
「取得時価格に対して、現在どの程度の賃料収益を生んでいるか」
を把握する指標です。
分析対象は以下の通りです。
過去12か月間の実際の賃貸募集データ
新築分譲時の販売価格
20階以上のタワーマンション
投資専用物件は除外
データから見るタワーマンションの賃貸利回り
表面利回り上位50棟のタワーマンションでは、
最高利回り:15.8%(東京都港区)
10%超:8棟
9%台:17棟
8%台:27棟
タワーマンションにおいても、
8~10%台の表面利回りが現実的に存在している
ことが確認されました。
地域別の特徴:大阪の存在感
特に注目すべき点は、
大阪市内の物件が多くランクインしていることです。
主なエリア:
西区
北区
福島区
浪速区
これらは湾岸部や再開発エリアを含み、
都市機能の向上とともに賃貸需要が底堅く推移しています。

築年数と利回りの関係
高利回り物件の多くには、
以下の共通点が見られました。
竣工年:2005~2006年が中心
約6割が 築15~20年
最も新しい物件でも 築10年以上
この結果は、
利回りの高さが築浅かどうかでは決まらない
ことを示唆しています。
資産価値と賃貸収益は別軸で考える
タワーマンションは依然として、
売却のしやすさ
市場価格の透明性
都市部での安定した需要
といった強みを持っています。
一方、賃貸収益性は
取得時の価格と現在の賃料水準の関係
によって左右されます。
長期保有者にとっては、
売却ではなく賃貸継続が合理的な選択となるケース
も十分に考えられます。

まとめ
タワーマンションは
「資産価値重視の住宅」というイメージが先行しがちですが、
実際のデータを見ると、
賃貸収益面でも想定以上のパフォーマンスを示す事例が存在します。
新築価格が高騰する現在、
過去の価格水準と現在の賃料を冷静に比較する視点は、
これまで以上に重要になっています。
価値を決めるのは新しさではなく、
「いつ、どの価格で取得したか」なのかもしれません。
データ出典・分析条件
データ出典:Realnet マンションデータ
分析対象:新築分譲価格・直近賃貸募集データ
調査期間:直近12か月
対象物件:20階以上のタワーマンション(投資専用除外)


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